2023/04/04 18:19

春のことわざについて

こんにちは。今日は、春に関連することわざや慣用句について紹介したいと思います。春は、自然が芽吹き、花が咲き、暖かくなる季節です。人々も心が弾み、活動的になります。そんな春の気候や自然の特徴、人の心情を表すことわざや慣用句はたくさんあります。ここでは、その中から4つをピックアップしてみました。

1. 春宵一刻値千金(しゅんしょういっこくあたいせんきん)
このことわざは、「春の夜は花が香り月夜も趣があり、わずかな時間でも千金の値打ちがある」という意味です。「一刻」とは、現在の30分ほど。春の夜は、恋人と過ごしたり、友人と語り合ったりするのに最適な時間です。このことわざは、中国の故事に由来します。中国の詩人・李白(りはく)が、友人と酒を飲みながら月を眺めていたときに詠んだ詩「春夜宴桃李園序」(しゅんやえんとうりえんじょ)の一節からきています。

2. 春眠暁を覚えず(しゅんみんあかつきをおぼえず)
このことわざは、「春の夜は寝心地がよく、朝が来たことにも気付かずに、つい寝過ごしてしまう」という意味です。春は、冬の寒さから解放されて暖かくなるので、眠りが深くなります。また、日照時間が長くなるので、体内時計が乱れやすくなります。このことわざも、中国の詩人・孟浩然(もうこうねん)による詩「春暁」(しゅんぎょう)からきています。

3. 春の晩飯後三里(はるのばんめしあとさんり)
このことわざは、「春は明るい時間が長く、なかなか日が暮れないので、晩飯後でもあと三里(約12㎞)は歩ける」という意味です。春は、お彼岸・春分の日を過ぎると、昼の時間の方が夜よりも長くなります。春は、散歩や運動をするのにも適した季節です。このことわざは、日本独自のもので、江戸時代に成立したとされます。

4. 明日ありと思う心の仇桜(あだざくら)
このことわざは、「明日もまだ咲いていると思っている桜も、夜中に嵐が来て散ってしまうかもしれない。つまり、出家の決意も朝になったら薄れてしまうかもしれない」という意味です。